ずっと以前から、成長期の子どもにとってのテレビは害を為すものと認識されてきました。明確な根拠が示されないまま、
言語発達の遅れや自閉症との関わりも示唆されてきたのは周知のことです。最近になって、
テレビが精神発達に与える影響をもっと実証的に解明しようとするアプローチが始まったようです。
たしか小児科関係の学会で「テレビ視聴の長さが言葉の発達の遅れにつながるという明確な根拠は見つかってない」
という趣旨のアピールが出されていたと思います。昨日の新聞では、
今後長きにわたりテレビ視聴と精神発達との関連性を追跡調査するというプロジェクトが紹介されていました。
ようやく前世紀に登場したメディアを検証する雰囲気になってきたようです。NHKの報道によればどうやら「教育テレビの幼児番組」
は言語発達を促進する効果があるらしいという言われ方がされていました。ただし幼児番組にも出来不出来がありますし、
幼児番組を見るときに保護者がどのようなサポートをしているのかという「テレビの見方」の違いによる影響も大きいので、一概に
「教育テレビの幼児番組」を見せればよいと結論づけることはできません。
第三者のような批評をしている場合ではなくて、僕の家にも1歳児がいます。幼児向けのテレビ番組は一度も見せたことがありませんが、
大人が見ているニュース番組は少なからず目にしています。
可愛らしい着ぐるみが踊ってくれる幼児番組に子どもが興味を惹かれるのは当然ですし、
その番組でしばしば登場する言葉をよく覚えることでしょう。
僕が二十数年にわたって教育学研究を仕事としてきたこともあって、家の子育てスタンスは「偏屈」なものであるかも知れません。 自分が確かめたこと以外はなかなか信じようとしない「頑固」な僕のせいです(笑)。言葉の発達における最大の要点は、 発達早期におけるボキャブラリーの増加にあるのでははなく、 他者とよりよいコミュニケーションをする意欲があり配慮ができるかということだと思います。 これは保護者との語らいによって育てていくしかないかも知れません。
家内が薦めてくれる玩具も、僕の反対で導入が見送られることがありますが、導入しておいた方が良かったものもあるかもしれませんね。 各家庭で育て方が違うし、父と母のパーソナリティも違う、そのことによって個性的な子どもたちが育つわけですから、それでいいとしましょう。 (笑)
まだ我が子には実感できませんが、子どもたちはやがて学校に通うようになります。二十人、 三十人という集団の中にいて徐々に子どもは社会性を身につけていきますが、これを家庭という小さな社会集団で実現するのは難しいでしょうね。
ところでテレビの「功」、「罪」は如何?
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