今時は「本」というものが「知の象徴」ではなくなっているのでしょうか。
レポートを読んでいると、出典の不確かな引用に出会うことがあります。「誰がどの本に書いた」ことなのか明確でなければ引用は価値を持ちません。当然、誰が書いたかわからないネット記事も価値を確かめることが難しい情報です。そもそもネット記事という者はURLがいつの間にか変わって、消えてしまうことが多いわけですから。
自分が学生だった頃は日課のように書店に足を運びました。大学の生協には毎日、街の大手書店には週2?3回くらいでしょうか。自分が買う本がなくてもどんな本が平積みになっているのか、どんな本がコッソリと目立たぬように置いてあるのか、そんなことを観察するのが楽しみでした。図書館にはまた違った趣があります。最新刊の本は並んでいませんが、書店には絶対並ばないような、書店にあっても高価すぎて手が出ないような、そんな本がたくさんあります。目立つPOP広告も帯もありませんから、自分が求めなければ出会うことがない本がたくさんあるのです。
一つの言葉を頭に浮かべて書架の前に立ちます。本の背表紙に書かれたタイトルと著者、装幀と年期の入り方、あとは...勘でしょうか。とにかく一冊を手に取ってみます。目次を見て、気になる章のページを開き、そこに少しでも自分の求める言葉に関わることが書かれていたら、それを手がかりにして書架から書架へ、半日ほどでかなりの収穫が得られたと思います。そんな図書館の景色が目に見えるようなレポートがいいですね。
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