「岩波書店の新刊」という冊子を見るのが好きです。毎月1社からこれだけの本が出ているのかという小さな感動とともに「今月の1冊」 を探すのが楽しみです。ここひと月は岩波書店からの荷物がなかったので、新刊案内冊子は届きませんでした。 「こんなに岩波を贔屓にしているんだから新刊案内くらいタダで送ってくれたらいいのに…」などとあまり説得力のない愚痴をこぼしつつ、 書店のレジで新刊案内をもらってきました。
子どもの頃と比べると岩波の本はやわらかくなったように思います。「アクティブ新書があるんだから、そちらで出したらどうなの?」 と思えるような「新書」が増えましたね。そういう感想と相関関係があるのかも知れませんが、ここ数年の岩波新書の購入冊数は減っています。 その代わりに増えているのがシリーズ本の購入冊数です。おもしろいテーマが多いですね。10月から刊行されるシリーズで言えば 「ことばのために」。第1回は高橋源一郎『大人にはわからない日本文学史』、関川夏央『おじさんはなぜ時代小説が好きか』…。 書店に足を運ぶまでもなく読んでみたくなる品揃えです。この9月には川西政明『小説の終焉』という新書本が出ていますので、 これからは終わってしまった小説を並べて組み替えて批評する楽しみしか残されていないのだろうかと不安になりそうですが、僕などは 『小説の終焉』を読んで却って『小説は終わらない』という感を強くしている類の偏屈人間です。(苦笑)
待ってました!というような小説がきっと出版されると信じています。
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