ショウペンハウエルの『読書について』(岩波文庫、斎藤忍随訳)をめくっていましたら、実に痛いことが書いてありました。
「書物を買い求めるのは結構なことであろう。ただしついでにそれを読む時間も、買い求めることができればである。しかし多くの場合、 我々は書物の購入と、その内容の獲得とを混同している」(読書について8b)
これが1850年頃書かれたものであるというところがますます痛いです。どの警句も全く時代を感じさせない新鮮さを持っています。 高校生の頃これを読んだときは、こんなに辛辣な言葉が並んでいるとは思いませんでした。
せめてもの救いは「人は」ではなくて、「我々は」と書いてあるところでしょうか。 ショウペンハウエルにもそういう自省があったのだと思うことにしましょう。(笑)
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