タイトルについ「!」を付けてしまいました。(笑)
今日、『中原中也全集』別巻(角川書店、13650円)が届きました。全6巻の完結です。 平成16年11月30日に発売されたようです。全集の刊行を知ってネット書店に注文し、刊行のたびに送ってもらえるようにしておりました。 刊行中に新しく資料が発掘されたこともあって、完結までに僕の想像をはるかに超える期間を要しました。 第1巻の発行は平成12年3月25日と書かれていますので、ほぼ5年近い年月が経過したことになります。
30年あまりに過ぎない中也の生涯にあって、創作活動をおこなっていたのはその半分ほどでしょうか。 15年間の創作活動を刊行するために費やした時間が5年……。全集はまるで中也の創作と歩みを揃えるようにゆっくりと進みました。 全集完結の裏には、生家の火災で黒こげになって貼り付いてしまった中也の日記を、 数ヶ月をかけて一枚一枚剥がして復元するという作業もあったようです。新聞報道などで見聞したところによりますと、 復元にあたった方は中原中也のファンであり、作業の大変さよりも中也の手になるものを復元する喜びが大きかったと言うことです。
このたび届いた別巻は、写真・図版と資料・研究が収録されています。神童と呼ばれた少年期の通信簿の写真もあります。 中原家所蔵レコード目録や読書日記もあります。 中也の作品と重ねて透かしてみれば今までで一番鮮明な肖像が浮かび上がってくるような気がします。 2007年は中原中也生誕100年に当たります。完璧とも言える全集を揃えて生誕100年を迎えることができるのは、 1愛読者としては誠に嬉しいことです。
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