福田内閣は自称「背水の陣内閣」だそうですが、背水の陣で再任が多かったにも関わらず、またもや閣僚の政治資金不正処理が明るみに出ました。
首相が施政方針演説後に突然辞意表明し、自民党総裁選・首相指名という政界の流れはやむを得ないとしても、同じ領収書を何回も使うような政治資金処理は、政治に対する期待を喪失させるに十分です。「常識」がない人たちに政治を任せねばならない国民はおそらく、かなり悲観的な気分になっていると思われます。テロ特措法延長が最大の論点である今の時期に、担当大臣の失態は世論にも微妙に影響するかもしれません。ここからは新首相の見識に期待したいところです。
角界では、誠に残念な事件がありました。某相撲部屋の親方が加わった暴行傷害致死です。NHKニュースや朝日新聞・読売新聞の報道によれば、捜査中という理由で相撲協会理事長はコメントを避けたようですし、当の親方自身は自らの進退にすら触れなかったようです。横綱の出場停止事案の折に、相撲協会の力士指導のあり方が問題とされたばかりですが、このたびの事件はそれとは比べようもない重大事案です。これは「不祥事」ではありません。相撲部屋の責任者が関わった「犯罪」なのですから。巡業を欠席してサッカーをしていた横綱が「国技を軽んじた」というのであれば、この傷害致死事件の当事者は「国技を汚した」ことになります。国技に携わる当事者能力……、というより、最低限の「人間性」すら疑われます。
まず、亡くなった若い力士に誠意ある対応をすべきであるのは言うまでもないことです。その次に、日本相撲協会や横綱審議会の見識を示していただきたいと思います。
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